自分のフックのスタイルとして「これだ!」と感じるものができたので詳細を公開してみます。
先に完成品をお見せすると、こんな感じです。
素材
用意する素材は以下の通りです。
- フック
- PEライン
- 瞬間接着剤
この3つだけ。
ネットで検索すると、スイミングフックのアイ(輪っか)の部分は別の素材を使って作ることが多いようですが、私は巻き付ける糸にPEラインを使い、そのまま同じPEラインでアイも作ってしまいます。
どうしてこうしたかは後述。
それではそれぞれの素材の詳細を見ていきましょう。
フック
OWNER製のきじ鈎6号を使います。
この鈎にした理由は、「やっぱり渓流魚は渓流釣り用のフックが良いのでは?」と考えたからです。
以前にグレ用のものを使ってみましたが、それと比べてみると、
- 軸が細い = 刺さりやすい
- 鈎先の延長線上に根本(糸を結ぶところ)があってフッキングパワーが先端に乗りやすそう
- 鋭い
といった違いがありました。
正直フックに関しては今も色々試している段階ですのでもっと良いフックがありかも知れません。見つけ次第アップデートします。
PEライン
ラパラ製のPEライン、ピンクの1.0号をボビンに巻き付けて使います。
PEラインを使う理由は、単純に余っていたのと、フライを巻く用のスレッドに比べて遥かに強いためです。
実は数年前に少しだけシーバス釣りに挑戦したことがあり、その時に使っていたラインが余っていました。
渓流釣りでは0.6号を使っているのですが、それだとちょっと不安な気がします。今度試してみるのも面白そうですね。
瞬間接着剤
無くても良いような気もしますが念のため仕上げに付けます。
何でもよいと思いますが、私は定番のアロンアルファを使っています。
作り方
バイスにフックを固定し、カッターの背などで巻き付ける部分のコーティングを剥がします。
これをやらないとPEラインが滑ってしまい巻き付けることができません。
私はバーブをリューターで潰しています。この辺りはお好みで。
360度コーティングを剥がした状態です。部分的に残っていても結構滑ってしまうのでしっかりと剥がします。
PEラインを巻いていきます。下巻を経た後にアイ(輪っか)を作ります。
ここが最大のポイント!
- PEラインでそのままアイを作る
- アイはルアーに直接通す
仕上げの結び巻きを3回ほどした後に適当な長さで切って接着剤を塗布します。
余分な接着剤はティッシュペーパーで吸い取り、固まったらリアフック側の完成です。
同様の工程でフロントフック側も作ります。直接取り付けるのでちょっとやりにくいですが頑張ります。
完成
右が完成品、左が従来品です。
フックのサイズ感も大体近くていい感じですね!
ぱっと見でもフックの軸の太さの違いが分かります。
フックの先端同士の距離はギリギリではありますが干渉せず、握手することはなさそうです。
なぜ直付けにしたのか?
まずはこちらの画像をご覧ください。
スプリットリングを使う前提で作ろうとすると、アイのループをかなり小さく作る必要があります。これはフックの形状のせいもありますが、アイが柔らかいため引っ張られると伸びる性質も影響しています。
アイが小さくなればなるほど、ねじれに弱くなります。これでは本末転倒ですね。
アイのループサイズをギリギリにしてスプリットリング経由で装着してみるとこんな感じです。
はい、こんなにギリギリに作ったのに2つのフックが余裕で握手してしまいます。
フックサイズをもっと落とせばこの問題は解決できると思いますが、このきじ鈎は最小サイズが現在使用している6号なのです…。
さらに、アイをPEラインでそのまま作っているため、スプリットリングとの相性も悪いです。スプリットリングの隙間を簡単に通ってしまうこと・スプリットリングのエッジで傷が付きやすいことが挙げられます。
副次的なメリットとして、アイの方向を横にすることができます。細いPEラインで縦アイを作ろうとするとラインを重ねなければならず綺麗に作るのが難しいですが、横であれば並べるだけなので綺麗に作れます。
直付けにした理由を纏めますと、
- フックが絡まないようにするため
- スイミングフックの効果(ねじれへの強さ)を十分に引き出すため
- スプリットリングが原因でフックが取れるのを回避するため
- 横アイとなるため綺麗に作れる
ということになります。
あと、効果の程度は定かではありませんが、スプリットリングによって発生していた金属音が無くなるのでひょっとしたらスレた魚に有効かも知れません。知らんけど。
なぜアイをPEラインでそのまま作ったのか?
一般的には、巻いている糸とは別の、もっと太い素材を使ってアイを作るようです。
その場合大きなフックなら良いと思いますが、今回私が使っているフックは6号と小さいので、その方法で作ってしまうと巻く部分が大分太くなってしまい、掛かりが悪くなってしまうのでは?という懸念がありました。また、太ければ太いほどねじれに対して反発力も強くなるわけなので、効果を重視し細いPEラインで作ってしまおうとの考えに至りました。
実釣に耐えるのか?
アイが細くて擦れにも弱いPEラインで出来ていて、果たして実釣で問題なく使えるのか?がとても気になるかと思います。
結論から言うと、問題ありませんでした!(だからブログに書いているわけですけれども)
このきじ鈎は非常に鋭く、アワセのダメダメな私でもさっくり掛かり、ネットイン後にも鈎が刺さったままであることが多くなりました。今まではネットイン前にポロリと外れたり、ネットイン後に大体勝手に外れていることが大半だったので効果を実感しています。
フィールドや使い方にもよるかと思いますが、1日使ってみて特にアイが綻んで切れそうというようなことはありませんでした。
すこし毛羽立っているかな?というのはありましたが、フックの鋭さの劣化の方が早いと思います。私の場合、1回の釣行でそこそこ使ったフックはすぐ交換するのでアイが先に千切れるということは恐らくないでしょう。
デメリットもある
もちろんこのスイミングフックが万能というわけではありません。むしろ結構デメリットがあります。
- 交換が容易ではないこと
- 現地でダメになった場合は交換が効かないこと
- 寿命が短い
- スレ掛かりが増えるかも
- ネットに絡まると取るのが大変
- ルアーの泳ぎへの影響
- 大物が掛かった場合は?
ルアーに直接付けながら作るため、作業が一般的なそれより大変です。また、作り置きができません。現地でフックが鈍ってきたなーと思っても同じスイミングフックに交換できません。この辺りは同じルアーを沢山用意しておくことで回避するしかないですね。あとは割り切ってスプリットリング付きのフックに交換するくらいでしょうか。また、アイが細いPEラインなので1釣行したら交換するのが無難でしょう。私はこのフックを作る作業自体がとても楽しいので全く苦ではありませんが、そう感じない方には向かないと思います。
フックが鋭く細軸になると当然掛かりが良くなりますが、それ故にスレ掛かりが増えるかもしれません。実釣テストした際、一度固いエラ部分に掛かったことがありました。また、暴れている最中に空いている方のフックがさらに掛かり丸まった魚をキャッチ、というシーンも2度ほどありました。刺さりすぎというのもちょっと考え物なのかも知れません。
フックの稼働領域が柔軟になってバレにくくなった半面、ネット等に絡まると取るのが結構大変だったりします。これまではルアーを摘まんでガチャガチャしれいれば外れていたものが、この方法だとなかなか取れなかったりします。ラインがフックに絡まってしまった時もそこそこ手こずります。
スプリットリングレスで、フック自体も細軸となるため重量や重心バランスの変化によりルアーの動きが変わる可能性があります。水の抵抗も変わるでしょうし、まぁ動きは変わることは間違いないんでしょうけど、全く釣れなくなるかというとそんなことはないと思います。私は幸か不幸か泳ぎの違いを感じ取ることはできなかったので問題なく使えていますが、ベテランの方は違和感を覚えるものなのかも知れません。
実釣テストで釣れたのは全て20cm未満だったので、尺を超える大物の場合どうなるかまだ未知数です。初心者でも尺が釣れる釣り場情報、お待ちしております!
まとめ
作るのちょっと手間だけど、アワセの未熟な自分にピッタリなスイミングフックが出来ました!
興味があったら作ってみてください。その際は感想を頂けると嬉しいです!
それでは、素敵な渓流ライフを!!
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